ホーム > お知らせ > 京都文化博物館・京都大学総合博物館共同開催展覧会「日本の表装」
このほど、京都府、京都大学総合博物館、京都文化博物館及び一般社団法人国宝修理装潢師連盟の主催により、展覧会「日本の表装」を開催いたしますので、ご案内します。
展覧会の詳細、関連イベントなどのご案内につきましては、下記のリンクより各館のWebサイトをご覧ください。
皆様のお越しをお待ちしております。
会 場:京都文化博物館2階総合展示室 京の至宝と文化のゾーン
掛軸は、主に平面である絵画・書跡類に、様々な紙や染織品を取り付け、裏から紙で十分に補強して鑑賞出来るようにしたものです。見たいときは吊り下げて広げ、使わないときは丸めて箱に収める。薄い紙や絹といった脆弱な材料で作られた絵画・書跡類を保管し鑑賞するにあたって、掛軸は非常に合理的で便利な特徴を持っています。それはコンパクトで持ち運びができ、必要に応じて幾度も解体し、修理することが出来ます。戦乱や災害を経ても、我が国にこれほど多くの作品や資料が伝来する陰には、ひとえに掛軸という形に想いを込め、工夫を重ね繋いできた先人たちの営みがありました。
また掛軸の装いは、書画の印象を決める最も重要な要素です。貴重な品々にふさわしい美しい、荘厳な装いを求め、各時代の人々は様々な材料を駆使して軸を飾り、また軸を掛ける空間、軸のたたずまいにも念入りに気を配りました。掛軸は単なる書画の枠ではなく、高い美意識に支えられた総合芸術であり、日本文化史の極めて魅力的な部分を作り上げています。本展示では、掛軸の仕立てに込められた先人たちの技術と美意識を広くご紹介します。歴史と風土が現代までつむぎ、残してきた掛軸の文化を、身近に感じて頂ければ幸いです。
会 場:京都大学総合博物館 本館2階第1企画展示室
東アジアには、絵画や書と一体となって、作品を引き立て、かつ、保存に役立つ表装の文化があります。紙や絹を用いた作品を、表装により大切に守り美しく彩る営みは、日本においても古代に始まり、現在にいたるまで、独自の美と技術を育んできました。この展覧会では、その美しさと歩みをたどり、表装の技術と、技術の進歩を支えた修理をめぐる思想の到達点をご紹介します。
絵画や書、古文書など、紙や絹を用いた歴史的遺産を未来に伝えるための修理の技術は、この40年程の間に格段の進歩を遂げました。なぜ残すのか。 どのように残すのか。文化財の修理では、二つと無い個性を持った作品を、歴史や素材など様々な角度から分析し、最善の方法を追求します。本会場では、表装を用いた文化財修理の最前線をご覧いただきます。
展覧会「日本の表装−紙と絹の文化を伝える」に関連し、下記の通り土曜連続講演会が行われますので、ご案内します。
いずれも場所は京都大学総合博物館講演室(申込不要・先着順)です。 ぜひご来聴ください。
1月14日(土) 14:00〜15:30 | 「表具師から装潢師へ」 | 岡興造氏 (岡墨光堂会長/前・国宝修理装潢師連盟理事長) |
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1月21日(土) 14:00〜15:30 | 「日本の文化財の修理をめぐって−彫刻の修理の場合−」 | 根立研介氏 (京都大学大学院文学研究科教授) |
1月28日(土) 14:00〜15:30 | 「古文書修理の歴史と理念」 | 湯山賢一氏 (奈良国立博物館長) |
2月4日(土) 14:00〜15:30 | 「前近代における書跡・古文書修理の様相」 | 横内裕人氏 (京都府立大学文学部准教授) |
2月11日(土) 13:00〜15:30 | 「近世ヨーロッパ美術と修復」 | 平川佳世氏 (京都大学大学院文学研究科准教授) |
「平安時代の仏画制作とその修理」 | 増記隆介氏 (神戸大学大学院文学研究科准教授) |
企画 | ■ |
日本の表装展 展示企画委員 岩﨑奈緒子(京都大学総合博物館館長) 岡泰央(国宝修理装潢師連盟理事) 中野慎之(京都府教育庁指導部文化財保護課技師) 橋本浩(国宝修理装潢師連盟連盟員) 森道彦(京都文化博物館学芸員) 山本記子(国宝修理装潢師連盟専務理事) 横内裕人(京都府立大学准教授) ※五十音順 |
主催 | ■ |
京都府 京都大学総合博物館 京都文化博物館 一般社団法人 国宝修理装潢師連盟 |
後援 | ■ |
京都府教育委員会 京都市教育委員会 |
協力 | ■ |
京都府教育庁指導部文化財保護課 京都府立大学文学部歴史学科 |