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刊行物『装潢史』の刊行について

当連盟では設立50周年記念事業の一環として、装潢の歴史を網羅的に俯瞰した初の刊行物『装潢史』(渡邊明義・岡興造・石川登志雄共著、A4版フルカラー198ページ、非売品)を平成23年9月に刊行いたしました。

この『装潢史』は、我が国の文化財修理に不可欠な「装潢」についての理解を深めていただくため、国庫補助金及び(公財)朝日新聞文化財団の助成により2,000部を制作し、美術工芸品を所蔵する全国の博物館・美術館,文化財行政を所掌する国や地方の行政機関,文化財修理に関連する教育機関をはじめ,広く文化財修理に従事する関係者に配布させていただきました。

頒布終了について

「装潢史」につきましては、若干の残部がございましたので、ご希望の方へ実費程度での頒布を行ってまいりましたが、残部が僅少となりましたため、平成26年12月26日(金)受付分をもちまして、頒布を終了させていただきました。これまで多数のお申し込みをいただき、まことにありがとうございました。

本書の内容

第1章 装潢序説渡邊 明義
 
序説装潢という仕事
官制の中の熟紙匠と装潢匠装背、裏打の技術
装背の類語装潢技術の使命
 
第2章 経師と表具師渡邊 明義
 
書画を仕立てる職人−装潢匠(手)の仕事装潢という語の周辺
経師の名のもとでの装潢表補絵師の登場
表具師経師と表補絵師・表具師の技術的特色
屛風の仕事をする職造屛風工の仕事
襖障子の仕事をする職人 
 
第3章 巻子装の始まり渡邊 明義
 
筆写の技術と体制仏典の意匠
華麗な意匠の追求高貴な意匠の伝統
格式の意匠勅撰集の意匠
経書の意匠絵巻物−風流の意匠
中国の経典など10一般の書画・横巻の場合
 余論 
 
第4章 掛軸の歴史渡邊 明義
 
序説奈良時代の諸寺資材帳に見る掛絵
画仏像の形態と構造−袷と張掛ける構造の進化の形
敷曼荼羅、甲本と乙本平安時代の仏画の意匠形式と様式
裱褙の構造形式の進化と意匠形式の変化風帯
絵巻物の画中に見る掛軸仏画の意匠形式10仏画の裱褙の意匠形式−繍仏と描表装
11新しい書画文化と表装12新しい意匠と形式観と様式
13同朋衆の表装14日本的意匠形式の完成
15中国の表装−仏画表装と鑑賞画の意匠様式16掛軸の形と定式
17中国の表装18『歴代名画記』に見る表装の古典技術
 補説:糊をめぐって  
 
第5章 表装形式と裂地の取り合わせ渡邊 明義
 
東山表具と国風表装の典型様式茶人の表装形式観と意匠観
形式と型式の選択表装の材料と取り合わせ
 余論 
 
第6章 茶の湯の世界と掛物−室町・桃山・江戸時代岡 興造
 
美意識の変遷 特集:裂の基礎知識
唐物への憧れ墨跡愛好
 
第7章 近代の茶人たちによるルネサンス−明治時代以後−岡 興造
 
新しい「日本画」近代の茶人たちと古書画
新作の表装 対談:表装裂地今昔
 
第8章 屛風岡 興造
 
儀式における屛風の使用−奈良時代画中画にみる中世の屛風−平安・鎌倉時代
多種多様な展開−室町・桃山・江戸時代大画面作品としての屛風−明治時代以後
 
第9章 巻子本・冊子本−書跡・典籍・古文書−石川 登志雄
 
巻子本書物の書写(写本)と印刷
墨跡と古筆  

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