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第3回東アジア紙文化財保存修理シンポジウム(韓国:ソウル)

国宝修理装潢師連盟では、日本・中国・韓国における紙文化財保存にかかわる関係各機関のご協力のもと、平成18年5月に中華人民共和国北京にて第1回、平成19年9月に九州国立博物館で第2回のシンポジウムを開催してまいりましたが、平成20年には第3回として、韓国ソウルの国立古宮博物館を会場に、韓国粧潢研究会・国立古宮博物館の主催により2日間の日程で開催いたしました。

このシンポジウムでは、各国の長い歴史の中で継承されてきた紙文化財の保存方法を「装潢」という文化形態を通じて比較すること等を通じ、それぞれの特徴を理解し、東アジアにおける紙文化財保存の将来を展望する機会となりました。

我が国からは151名と大変多くの方々のご参加をいただきました。ご参加の皆様方、ご協力いただきました関係各位に厚く御礼申し上げます。

開催概要

日  時  ■  平成20(2008)年9月5日(金)・6日(土)
会  場  ■  国立古宮博物館(韓国・ソウル)
主  催  ■  社団法人 韓国粧潢研究会
大韓民国文化財庁
国立古宮博物館
後  援  ■  大韓民国外交通商部
ユネスコ韓国委員会
特別協力  ■  有限責任中間法人 国宝修理装潢師連盟
文化財保存修復学会
財団法人 文化財保護・芸術研究助成財団
中華人民共和国国家文物局
ユネスコ北京事務所

プログラム

9月5日(金)

10:00〜10:05 開会挨拶 蘇 在亀
(韓国国立古宮博物館長)
10:05〜10:20 祝  辞 王 菊華
(中国紙パルプ製造及び製紙研究院)
三輪 嘉六
(九州国立博物館長)
安 輝濬
(韓国文化財庁文化財委員会委員長)
第1部 装潢概論
10:20〜11:00 清代の宮廷の書画表装芸術 傳 東光
(北京故宮博物院)
11:00〜11:40 装潢師から見た屏風と掛物−その形式と歴史について− 岡 興造
(国宝修理装潢師連盟理事長)
11:40〜12:20 遺物と記録を通じて見た朝鮮の粧潢 朴 智善
(龍仁大学校/靖齋文化財保存研究所)
12:20〜14:00 休  憩  
第2部 装潢に使用する紙について
14:00〜14:40 中国の隋唐−明清時期の製紙技術発展の特徴及び一部分の有名な紙種類の製造について 王 菊華
(中国紙パルプ製造及び製紙研究院)
14:40〜15:20 装潢に使用する紙について
−日本の場合−
増田 勝彦
(昭和女子大学)
15:20〜16:00 朝鮮朝における藁精紙の靱皮繊維と混合比率 障 善英
(光州大学校)
16:00〜17:30 古宮博物館特別展観覧
「飾る」と「装う」の芸術−装潢−
 
18:00〜20:00 懇親会 (Somerset Palace Seoul)

9月6日(土)

第3部 事例発表
9:30〜10:00 中国伝統書画修復表装の現状と対策 郭 桂香
(中国文物報社)
10:00〜10:30 紙文化財の修理 鈴木 裕
(国宝修理装潢師連盟)
10:30〜11:00 褙接紙で使われた紙に関する研究 千 周鉉
(国立中央博物館)
11:00〜11:40 ポスターセッション  
総評・総合討論
11:40〜12:40 パネルディスカッション 徐 健華(北京故宮博物院)
杜 暁帆(ユネスコ北京事務所)
増田 勝彦(昭和女子大学)
岡 興造(国宝修理装潢師連盟)
金 妍秀(韓国文化財庁)
朴 智善(龍仁大学校/靖齋文化財保存研究所)
12:40〜13:00 閉会挨拶 朴 智善
(龍仁大学校/靖齋文化財保存研究所)

ポスター発表

テーマ 発表者
甘蕭省漢・晋代古紙の発見と研究 王 輝(甘蕭省文物考古研究所)
石橋地域における伝統製紙の技法 楊 正權(貴州省黔東南州文化局)
天一閣館蔵 古典籍から見た明代書籍の装幀 王 金玉・賀 宇紅(寧波市天一閣博物館)
中国文化遺産研究院による紙文化財保存専門家の養成状況 中国文化遺産研究院
南京博物院 帙本図書 脱酸新技術 南京博物院
書跡補修紙の製作 国宝修理装潢師連盟
大判紙の製作 国宝修理装潢師連盟
諸資材作成事業 国宝修理装潢師連盟
宮城県図書館所蔵貴重史料保存修理事業 国宝修理装潢師連盟
補修用竹紙抄造の実践(平成18年度文化庁新進芸術家国内研修) 佐味 義之(国宝修理装潢師連盟/坂田墨珠堂)
粧潢の菱花紋紙に関する事例研究 林 珠姫・金 志炯(ソウル歴史博物館)
仏教と粧潢 鄭 智連(仏教中央博物館)朴 智善(龍仁大学校)
絵画遺物保存に使用された香材に関する研究 趙 恩惠(靖齋文化財保存研究所)
韓紙の永久性、耐久性と固有の特性 宋 旻娥・Jesse Munn(アメリカ議会図書館)
伝統韓紙の特性研究 康 珪誠(水原歴史博物館)
金 智蓮・朴 賢禎(靖齋文化財保存研究所)

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