ホーム > シンポジウム・研修会 > 第2回東アジア紙文化財保存修理シンポジウム
近年、日本、中国、韓国を中心とした東アジアの文化財を共通の理念と高い技術で修理、保存するという機運が高まっています。これを受け、平成18年に中国・北京において「第1回東アジア紙文化財保存修理シンポジウム」が盛況に開催されました。
2回目となる今回のシンポジウムでは、文化交流のメディアとして重大な役割を持つ紙の材料と製紙技術をめぐる歴史に関する、日中韓学術研究の第一人者による最新成果の講演をふまえ、三ヵ国の紙文化財保存修理技術者による紙文化財修理事例の報告を行いました。また、九州国立博物館の文化財保存修復施設を利用した中国、韓国の専門技術者を対象としたワークショップを実施し、国境を越えて「紙」「修理」という共通点から様々な交流を深める機会となりました。
このシンポジウムは、九州国立博物館と当連盟との共催という形で実施いたしました。同館はじめ、開催にあたりご後援、ご協力いただきました多数の関係者の皆様に御礼申し上げます。
日 時 | ■ | 平成19(2007)年9月7日(金)・8日(土) | |
会 場 | ■ | 九州国立博物館 | |
主 催 | ■ |
九州国立博物館 有限責任中間法人 国宝修理装潢師連盟 |
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後 援 | ■ |
文化庁 太宰府市 文化財保存修復学会 財団法人 九州国立博物館振興財団 ユネスコ北京事務所 中華人民共和国駐福岡総領事館 中華人民共和国国家文物局 中国科学院 中国文物研究所 駐福岡大韓民国総領事館 韓国国立文化財研究所 韓国文化財保存科学会 韓国粧潢研究会 |
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特別協力 | ■ |
財団法人 文化財保護・芸術研究助成財団 全日本社会貢献団体機構 |
司会:本田 光子(九州国立博物館)
10:30〜10:35 | 開会挨拶 |
三輪 嘉六 (九州国立博物館長) |
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10:35〜10:50 | 祝 辞 |
李 耀申 (中国国家文物局博物館司副司長) 竇 忠禕 (中華人民共和国駐福岡主席領事) 金 賢明 (駐福岡大韓民国総領事館総領事) 大西 珠枝 (文化庁文化財部長) |
第1部 基調講演 | ||
10:50〜11:35 | 中、日、韓三国における製紙法の比較および伝統紙の展望 | 潘 吉星 (中国科学院自然科学史研究所) |
11:35〜12:20 | 朝鮮時代の製紙手工業と製紙技術 | 金 三基 (韓国国立文化財研究所) |
12:20〜13:45 | 休 憩 | |
13:45〜14:30 | 日本における紙文化の変遷 | 湯山 賢一 (奈良国立博物館) |
14:30〜14:40 | 休 憩 | |
第2部 事例報告 座長:赤尾 栄慶(京都国立博物館)・坂田 雅之(国宝修理装潢師連盟) |
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14:40〜15:10 | 敦煌遺書の保護と修復 | 杜 偉生 (中国国家図書館) |
15:10〜15:40 | 「朝鮮王朝實録」の抄紙技法分析および劣化挙動の評価 | 趙 炳黙 (江原大学校) |
15:40〜16:10 | 水の使用を制限した修理の事例報告 -紙本墨画 維摩居士像- |
竹上 幸宏 (国宝修理装潢師連盟) |
18:00〜20:00 | 懇親会 | (九州国立博物館エントランスホール) |
司会:赤司 善彦(九州国立博物館)
第2部 事例報告 座長:藤田 励夫(九州国立博物館)・藤岡 春樹(国宝修理装潢師連盟) |
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9:00〜9:30 | 古籍学の数量化研究法および応用 | 馬 芸蓉 (陜西歴史博物館) |
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9:30〜10:00 | 紙類遺物の保存処理と状態調査 | 鄭 小英 (韓国国立文化財研究所) |
10:00〜10:30 | 劣化した宋版本の修理について | 森 香代子 (国宝修理装潢師連盟) |
10:30〜10:45 | 休 憩 | |
第3部 パネルディスカッション | ||
10:45〜11:45 | 製紙技術と修復技術の各国の現状について |
コーディネーター: 三輪 嘉六(九州国立博物館) パネリスト: 潘 吉星(中国科学院自然科学史研究所) 金 三基(韓国国立文化財研究所) 湯山 賢一(奈良国立博物館) 杜 暁帆(ユネスコ北京事務所) 朴 智善(龍仁大学校) 岡 興造(国宝修理装潢師連盟) |
11:45〜12:05 | 総括 |
蘇 栄誉(中国科学院自然史研究所) 陳 剛(復旦大学) 宋 珉宣(韓国文化財庁文化遺産局) 金 貴培(ユネスコ韓国委員会) 杉本 一樹(宮内庁正倉院事務所) 渡邊 明義(国宝修理装潢師連盟) 司会:森田 稔(京都国立博物館) |
12:05〜12:10 | 閉会挨拶 |
岡 興造 (国宝修理装潢師連盟理事長) |